辻斬り書評  -7ページ目

さらばジーコジャパン

負けましたね。

僕にとってはW杯地上波放送枠の確保が至上命題だったので、そもそも日本代表に本選出場までは期待していなかったのですが、やっぱり一抹の悔しさは残りました。


ま、今朝のゲームは高原投入の時点で観戦を放棄したんですがね(苦笑)。

福西でも遠藤でもなく、もしくは攻撃要員の増加でもなく、なぜか中田浩二を投入しただけでも頭の中に「?」マークが点滅していたのに、まるで意図の理解できない「ジャガイモ頭」投入に心底呆れてしまったわけで。

終わった頃にチャンネルを戻すと、案の定さらに得点を重ねられていました。



もう語り尽くされていると思うので簡潔に述べますが、今後の日本サッカーに必要なものは「ちゃんと戦術を持った監督」と「点が取れるFW」の2点に尽きます。

第2戦で日本がクロアチアと分けたのは向こうのシュート精度が著しく落ちていたためで、あの試合で勝ち点1でも獲得できたのは僥倖に他ならず、今回のブラジル戦もまず順当な結果でしょう。

で、結局緒戦のオーストラリア戦に立ち戻るわけです。

戦術不在、FW不在のジーコジャパンの地金が露呈し、以降の展開に禍根を残した例として記憶されるべき惨めな敗戦でした。


2010年の南アW杯に今以上の中盤プラス中澤を連れていけそうにないのは残念ですが、松井・長谷部・阿部・平山の成長と、候補にあがっているとされるエメ・ジャケの代表監督就任に期待したいと思います。


ビーコン的更新

久しぶりに書評をエントリしようかー、と思ってパソコンに向かったんだけど、結局やりかけの仕事をするハメに。

はぁー、パソコンの作業はしんどい……。


それにですね、一応は元サッカー少年だもんで、今はテレビでワールドカップ観戦三昧なわけですよ。

今日までのカードでは、メキシコVSイランが一番燃えましたね。今大会のベストマッチ候補です。

マルケス(メキシコのDF)すげえ!



ところで昨日の日本戦。

敗因は間違いなく高原です。

僕は前からあの野郎が大嫌いなんでメンバーにも入ってほしくなかったんだけど、昨日は特にひどかった。

何回チャンスつぶしたら気が済むんだ、あのジャガイモ頭め!


試合後に中澤が言ったように、追加点が取れないからああいう結果になったんだよなー。守備陣はよくやったもん。

1つめの失点は能活お得意のハイボール処理のミスで、まあ織り込み済みみたいなところがあるし、それまでの好セーブ&ラッキーな得点で相殺していいと思う。

2つめの失点は決めた相手をほめるべきだし、3点目はDFを1枚落として前がかりなシステムにした以上は仕方のないこと。


結果的にマズかったとは言え、交代で小野を使ったジーコの采配もわからないでもない。控えメンバーの中では一番ボールキープできる選手だしね。あの時間帯は、とにかくボール回しで時間をかけたかったわけで。

大黒の投入もセオリー通り。あんだけの時間で結果を出さないといけないってのは、大黒には酷だけどね。

福西のシュートミスは痛かったなー。あそこを決めていればその後の展開は変わっていただけに痛恨。


でも、やっぱり高原。こいつです。

3メートルの距離のラストパスが出せないなんて、ホント信じがたい。それも2回だぜ?

ふざけるのもいい加減にしてもらいたいよ。

だいたい枠に入れられないFWがさー、ワールドカップの大舞台で点なんか取れるわけないじゃない。

試合後のインタビューでも勘違い発言してたしさー。

お膳立てしてもらわないと点が取れない三流FWのくせに、「2点目を取ってあげられていたら、守備陣のためにもよかったんだけど」だと?

まったく、呆れて失禁しそうになったぜ。おかげで、あやうく老人の仲間入りをするところじゃないか。



てな具合で高原バッシングが止まらなくなりそうなんで、ここらでストップします(笑)。

今夜はブラジルとフランスの試合もそれぞれにあるし、韓国戦ももうすぐキックオフ。

ぐだぐだ言ってる暇などないのであります。

ましてや書評なんて、ねー?



そして延期 ~嗚呼、コメントスパム

こっそり、のはずが堂々と延期 してやがります



アメブロさんよぉおおお、技術的にそんなに難しいのかいいいいいいいいいいRY?

やるやると言っておいて、いってえどれだけ時間かけてやんでえ!

半分八つ当たりだけど、おたくの遅々として進まない対応にはさすがに頭にくるぜ!

もうこうなったら、


大音量で「ハイウェイ・スター」かけてやる!



隣近所から怒られてもしらないからな!!

でも、騒音おっさんとは呼ばないで!!





以上、心の叫びでした。

コメントスパム削除+延期宣言で消耗したから、今日はもう記事アップせんとこ~っと。

「氷山空母」なんて、ぶっ飛んだアイデアが出てくる本の書評だったんだけどな。




なるほど……

この時間帯(23:18現在)、アメブロサーバがどうしようもなく重いのは、例の英文コメントスパムの怒涛の襲来も一因のようですな……。て言うか、これくらいの時間に大量投下されてるんだねー。

今月中のコメントスパムシャットアウト機能実装(延期につぐ延期なので期限内の実現は信用できかねるが 笑)と、来月頭に予定されているサーバの増設で、昨今の過重トラフィックはかなり緩和されるはずなんだけど、はたしてどうなんだろうか?


まだ表層に現れていない根本的な原因が、ほかにありそうな予感もする。


アメブロだけに(笑)。



「ホログラム街の女」F・ポール・ウィルスン / SFハードボイルドの空間性


ハードボイルド小説は、とかく誤解されやすい代物だ。
それは読み手に限ったことではなくて、俗にハードボイルド作家と呼ばれる書き手にも間違いを犯している者がいる。
端的に言って、ハードボイルド小説とは格好悪い男の物語なのである。
自らのプライドやトラウマとうまく折り合いをつけることのできない愚か者が、そんな自分を憐れみ、ときに言い訳交じりに奮い立たせて、事件や出来事のうちに自分自身と向き合い、七転八倒しながらアイデンティティを再構築していく過程を描くのが、ハードボイルドの真髄なのだ。
考えてもみよ。世のハードボイルド小説のほとんどが巻き込まれ型でストーリーが推移するではないか。
主人公が能動的に世界と係わっていこうとする作品など、ハードボイルド小説においてはこれっぽっちも存在しない。最初から最後まで受身で展開する物語や主人公が、そもそもタフでワイルドであろうはずがない。常に追い立てられ、選択を迫られ続ける人間は、現実世界では敗残者に他ならない。
不全感や無力感に苛まれながら無様な姿をさらし、強かに痛めつけられ、それでも片意地を張ってうなり続けることしかできない偏屈者が、度重なる敗北を突き抜けたところに見出す境地こそが、ハードボイルドすなわち「固茹で」の精神なのである。
時機を逸し、もはや後戻りもできない窮屈な生き様を、唯一やせ我慢でやり過ごす馬鹿な男のみが、ハードボイルド小説の主人公たりうるのだ。


さて、本書はテクノロジーが強者により適応した未来(たいていのSF世界はそう描かれているし、現実社会だって実相はそう変わらない)のアメリカで私立探偵を営む半端者シグムンド・ドライアーが、ケチなしのぎに汲々とする毎日のなかでニグレクトし続けてきた未来世界特有の社会問題に当面し、生活のために否応なしに分け入っていくうちに、誰もが見て見ぬふりをしてきた残酷な現状にほだされて、それまでの認識を変えられていくビルドゥングス・ロマンだ。

この未来では、人権が付与されず所有者の意のままに体を売らされるクローン人間たちや、人口抑制策のおかげで捨てられた膨大な数の赤子たちが構成する共生集団が下層民として社会の埒外に置かれ、それ以外の者は真民と称して全面的な権利を与えられている。

本書の主人公、三流探偵ドライアーもその例に漏れず弱者を忌避し、不当な社会観に頭のてっぺんから爪先まで支配された男だ。

しかし万年金欠症がゆえに、事もあろうに低脳なクローン娼婦が持ち込んだ人探しの依頼を受けるはめになってしまう。

この汚らわしい人もどきはタチの悪い悪党に利用されているだけだと勘付きながらも、前払いの金貨の輝きから目を背けることのできないドライアーは、事件を追って動き始める。

その道程であらためて直面するクローンや捨て子たちの悲惨な生活と、それでも生きるために彼らが見せる驚くほどのひたむきさに、ドライアー本人も気づかぬうちに次第に感化されていく。

正義感によってではなく、彼らと交流することによって芽生え始めた止みがたい情緒に突き動かされて、ドライアーは初めて歪んだ社会と対峙することになるのだが―――。


本作には脳直結型のイメージ装置や大規模ホログラム投影システム、非交換式の経済構造など、SFらしいガジェットもふんだんに盛り込まれており、単なるハードボイルドの枠を超えたスリリングな物語として読み手の感興をそそる。

なによりドライアーが不完全な人間に描かれていて、彼の成長がやがて未来社会全体に影響を与えていくさまが、抜群のストーリーテリングによってドラスティックに刻まれていくのがよい。

決して複雑な物語ではないのに、ドライアーやクローンの痛みと人生がありありと浮かび上がってくるのは圧巻のひとことに尽きる。

SF好きからもハードボイルド好きからも、及第点を与えられてしかるべき小説ではないだろうか。



F.ポール ウィルスン, F.Paul Wilson, 浅倉 久志
ホログラム街の女


オススメ度★★★★

読みたくなってきた! という方は→ごほうびクリック プリーズ

忙しい!

最近なにかと忙しくて更新できてませんが、ちゃんと生きてますので(笑)。

夜半、疲れたベッドで観賞するスタートレックのDVDだけが唯一の癒しでございます。

ハードSF小説をたしなむようになってから、やっぱりスタートレックってすんげーおもしろいSFドラマなんだ! と再認識させられております。並みのSF小説では太刀打ちできませんな。

ただいまターシャ殉職の余韻を引きずりつつ、TNG第2シーズンに突入中。

FAXやらなにやらで使う「転送」って用語、実はスタートレックの日本版翻訳の際に造語されたものなんですよね~。知ってました?


そして、なぜか落ちないランキング。

なんだか、上位を狙ってバンバン更新している人に申し訳ない気がしますが……。


と、今日はこんなところで。


アメブロ改善委員会 続報

おいおい、いつの間にかコメントブロック機能の実装が5月末までに 変わっているじゃないか。

そろそろ対応してもらえると期待してたのに、2回も順延しないでよねー。

企画もいいけど、サーバー強化も含めてハード面に手をつけないと、そろそろ離れるユーザーも出てきちゃうんじゃないかな。

特にサーバーって、あらたに増設しても納品に時間がかかるんじゃなかったっけ?

早め早めの戦略を立ててもらいたいもんですな。


手前みそな話ですが

スクラップブック「海外小説を読もう!」 が、ひそかに充実してきてるんですよねー。

一応ブック製作者である僕が勝手に記事本位主義を奉じているもんで、宣伝活動やら勧誘行為は一切行っていないんですが、いつのまにやら16人もの方が参加してくれています。うれしからずや。


海外小説だなんて全体的にはすごくニッチなジャンルなのに、濃いものからライトな内容まで、なかなかバリエーションに富んだブックになりつつある様子。

んー、すばらしい。

特にgoldiusさんととらさんのSF書評は、質量ともにえげつないです(笑)。


まだチェックしてないよ、という方は是非ご覧になっておくんなまし。

SFに限らず、読みたくなる小説がきっと見つかりますぜ。



ちなみに僕が今読んでいるのは、帝政ロシア末期の2大エピソード「怪僧ラスプーチン」と「皇女アナスタシア」ものをそれぞれ1冊ずつ。

ひっじょーーーに生々しいラスプーチン伝、すごく好みです(笑)。

聖人と魔人って実は紙一重なんだよなー、と認識をあらたにしているところであります。






↓オマケ  前回エントリに書いたファン・シネの画像。やっぱり43には見えんよな……。特にこれなんか、ハタチそこそこにしか。


ファン・シネ2



オマケ2  ガタガタ言わずにこれ を読め! いいエントリだから! Tricky-Daysさんの書き出しにはいつも唸らせられる。うまい、そしておもしろい。これ なんかテンションあがるぜ、実際。



我が目を疑う

fan

ファン・シネ オフィシャルブログ



最近アメブロがプッシュしているこのブログ。

更新のためにアクセスする管理画面に頻繁に出てくるんですが、きれいな人やな~、てなぐらいだったんですよね。


でも知ってびっくり。


……これで43歳って!!


すごいねええええ。




それ以上の興味はありませんが(笑)。

「帝国を継ぐ者」ウィリアム・C・ディーツ / スペースオペラの魅力、てんこもり



前作「天空の秘宝」 で漂泊の生活にピリオドを打った、宇宙屈指のバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)、マッケイド。
のっけから氷の惑星アリスの凶暴な食肉獣との死闘で幕をあけるこの典型的なスペースオペラ小説、今回マッケイドに持ち込まれる依頼は、なんと失踪した地球帝国皇太子の捜索である。

政治上の理由から危険な皇位継承問題に首を突っ込まざるをえなくなったマッケイドは、すでに実権を掌握しつつある辣腕の狂皇女クローディアの執拗なる妨害をかいくぐり、放蕩のアレクサンダー皇子を求めて辺境宇宙を渡り歩いていく。

宇宙カジノでのひと悶着に鉱山惑星の囚人労働、未開惑星でのデッドヒートや宇宙艦隊との一騎打ちなど、スペースオペラの定番とも言うべき鉄板プロットが目白押しで、息つく暇もないマッケイドとその仲間たち。

小難しい理屈ややこしい伏線もなく、どんな読者もスイスイ読めることうけあいだ。


ときには肩の力を抜いてシンプルに物語を楽しみたい方には、本書はまさにおあつらえ向きの一冊である。

ストレス解消にはスペースオペラ。

これ、世界の定説です(笑)。


ウィリアム・C. ディーツ, William C. Dietz, 斉藤 伯好
帝国を継ぐ者―ギャラクティック・バウンティ

オススメ度★★★

読みたくなってきた! という方は→ごほうびクリック プリーズ