明けましておめでとうございます | 辻斬り書評 

明けましておめでとうございます

昨年中は特にお世話にもならずお世話もせず、ブロゴスフィアの深海に横たわっていましたが、今年はたまに更新していきたいと思っています。


というのも、あることがきっかけだったのですが、それは年末の深夜番組で観た「ミスティック・リバー」に起因するのです。

なかなか印象的だった同映画を、さぞや滋味深いであろうデニス・ルヘインの原作で丹念に味わい直してみようと思い立ち、さっそくアマゾンでタイトル検索をかけてみたのですが、まず最初にDVD盤がリストアップされてきたので「どれどれ、感想でも見てみようかな」とクリックしてみたわけです。

するとそこに立ち現れたのは、原作者にまるで言及せずに、映画監督のクリント・イーストウッドと作品を重ね合わせて語る阿呆どもの群れ。

実に救いがたい光景でした。


原作者や共著者でもないかぎり、監督などというものは単に作品を解釈し、再構築してリリースする媒介でしかありません(もちろん相応の能力が要求されますが)。百歩譲って脚本に仕立て直したのならばまた話は別だけど、作品性を問うならば先ず第一に原作および原作者に当たるべきなのです。

映画監督に与えられるべき評価の対象とは、役者にとっての演技と同じようにあくまで技術的側面にであり、プラス、それらを可能ならしめる諸要素なのです。


というわけで、ただいま原作を賞味している最中です。

読了後、近いうちに書評を掲載したいと思います。

んでは。


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