月日は百代の過客にして、行きかふ本もまた旅人なり | 辻斬り書評 

月日は百代の過客にして、行きかふ本もまた旅人なり

さて。

今日はakikoの「simply blue」なんかを聴きながら書いてます。

ジャズアルバムはスタジオ録音したものよりライブ音源のほうがいいケースが往々にしてあるけど、これなんかはその典型ですねー。

かっこいい女になりたい人はakikoをチェックしましょう。

ジャズに馴染みのない人は、小西陽康をプロデューサーに迎えた「リトル・ミス~」あたりから聴くのもいいかも。

なんて、さっき知ったんだけどアメブロにakikoのブログがあるんですねえ。ふーん。

好きなアーティストのブログなんざ、読みたくないっす。妙に距離感が近くなるのも良し悪しだよね。


てなところで。

トマス・キッドシリーズの無事リリース(3月12日予定)を祝して、ポポーンと更新していきましょう。

今回のお品書きは、百瀬明治「巨人 出口王仁三郎の生涯」、アリステア・マクリーン「女王陛下のユリシーズ号」、ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた」、ジェイムズ・カルロス・ブレイク「荒ぶる血」、ロバート・ウォード「四つの雨」、塩野七生「コンスタンティノープルの陥落」の6冊です。



まずは1冊目、「巨人 出口王仁三郎の生涯」をば。

大本教の立役者にして、まあ時代の怪人物ですな。海外への布教を企図しエスペラントの研究・普及に力を注いだり、新聞社を買収してメディア戦略を展開したりと、おそらく近代日本の宗教者として彼ほど気宇壮大な人物もいなかっただろうと思う。これらの事績を早くも大正年間に手がけているんだから、その先進性には驚かされます。

僕は宗教そのものには宗派門派を問わずあまり興味はないんですが、宗教家と呼ばれる人には興味をひかれるところはありますね。好悪は別として、人間として破格な人物が多いのがその理由です。

もともと出口王仁三郎は満洲史に少し顔を出す関係でちょっと手を出してみたのですが、予想通りあまり関与がなくて、その点では収穫は少なかったのですが(関東軍が王仁三郎を満洲宣撫に利用しようとしていた節があったことぐらいかな)、大正から昭和初期にかけて天皇制が先鋭化するなかでの宗教弾圧の様相がわずかながらも垣間見えて、なかなかおもしろかったです。また、日本の宗教はつくづく御利益ありき、人前神後の定理に貫かれているんだなあ、と再認識させられました。

わりと一般的な話題としては、日本海海戦で知られる秋山実之も大本の信者だったそうな。

あと、予備校講師として有名(といっても僕はほとんど知らないけれど)な出口 汪は、王仁三郎の曾孫だということです。


しかし、まだまだ新しい宗教に関する書籍って、案外探すのが難しいんだよねー。

既存のそれとは違って、関係者なりシンパなり、対象に近しい人物がものした本がどうしても大勢を占めてしまうもんだから、フラットな目線で書かれたものをピックアップする作業が必要になってくるし。

出口王仁三郎ならこれを読め! という本を知っている方がいたら教えてくださいね。たぶん読まないだろうけど……。


オススメ度★★


ちなみに。

http://ameblo.jp/akiko-nwp/



百瀬 明治
巨人 出口王仁三郎の生涯―大本教大成者

akiko
simply blue
akiko
Little Miss Jazz And Jive
akiko, The Ska Flames
a white album(初回盤)